すめし

早くガンダーラに行きたい。(成人済)

花道とすみれ

(漫画のネタバレを含みます)

漫画を読むのが好きで昔からよく読んでいた。最近になって自分が少年漫画的展開に弱いことがわかった。情けないことにそれがどんな展開か上手く言語化できないが、私の中では少年漫画的展開、という言い方が一番しっくりきている。そういう話を読むとすぐに泣いてしまう。特に、客観的に正しいか正しくないかではなく、その時その瞬間しか考えられないほど今を生きているからこそできる、刹那的で無謀な選択、みたいなものが本当に自分の琴線に触れるらしく、何度読んでもだばだば泣いてしまう。(泣く=感動的でいい、とは思ってないですが、ここではいい意味で使ってます)

特に印象的なシーンがある漫画は王道だけどスラムダンク。私は花道の「オレは今なんだよ」がスラムダンクの中で一番好きだ。大人になってより好きになった。あのときの花道の選択は正しくはなかったかもしれないけど、正しいとか正しくないとかではなく、今を、今しかないほど懸命に生きているからこそあんなに真っ直ぐでまぶしい言葉が出てくるんだと思っている。

そんな花道の言葉を、少し前に舞妓さんちのまかないさんを読んでいるときに思い出した。すみれが怪我をしてしまい舞台に出ることを止められてしまったとき、ただ自分の仕事が好きだからそれでも踊りたい、と気づいて我を通すという話がある。この話を読んだとき、なんでか、すみれ(百はな)と花道が重なった。たぶん、正しいか正しくないかではなく、今だけを考えて選択している様が似ていたのだと思う。大人になって、花道の選択もすみれの選択も、正しくはないと思う。でもこれは物語だから、今だけを考えたまぶしいほどの選択を肯定できる方がきっといい。私はそう思う。